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中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
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蒟蒻と魔芋

司馬遼太郎は「街道をゆ」く〈20〉中国・蜀と雲南のみち (朝日文庫)の「コンニャク問答」の項でコンニャクについて書いています。「西晋時代(256~316)に、左氏(?~308)というすぐれた詩人がいた。(中略)その代表作が『三都賦』である。」(p36) ・・・・・ その『三都賦』の中の「蜀都賦」のなかに「コンニャク」という文字が出ているのである。」(p38)というように著書に中でコンニャクについて触れています。

最近便利だなと思うのはネットで検索するとその左氏が書いた『三都賦』が閲覧できることです。その「蜀都赋」には「甘至自零,芬芬酷烈。其园则有蒟蒻茱萸,瓜畴芋区。甘蔗辛姜,阳蓲阴敷。」とあり確かに「蒟蒻」という言葉があります。

だいぶ前に、この「蜀と雲南のみち」の「コンニャク問答」を読んだ時よく理解できなかったのは、「その『三都賦』の中の「蜀都賦」のなかに「コンニャク」という文字が出ているのである。 ・・・・さらに注として蒟蒻の植物の特徴をのべ・・・・」と書いてありますが、その注が載ってる本の書名が何なのかということでした。

ネットを検索して、今回分かったことは『三都賦』などに注釈を施した「文選」の「卷四 赋乙」の中の「蜀都賦」で蒟蒻の注として「(113)蒟,蒟酱也。缘树而生,其子如桑椹,熟时正青,长二三寸,以蜜藏而食之,辛香,温调五(脏)〔藏〕。蒻,草也。其根名蒻头,大者如斗。其肌正白,可以灰汁,煮则凝成,可以苦酒淹食之。蜀人珍焉。茱萸,一名茶也,畴者,界埒小畔际也。杨雄《太玄经》曰:阳蓲万物。言阳气蓲」とあります。

司馬遼太郎が注として引用した本は「文選」であり、その「卷四 赋乙」の中の「蜀都賦」の蒟蒻の注として書いてある項からの引用だったのです。この「文選」もネットで前文閲覧できます。

雲南省、四川省など蒟蒻を食べるところでは「魔芋」という呼び名が一般的のようで、蒟蒻と言う言葉はあまり一般的ではないようです。

NHKで以前放送された番組に「天涯にきらめく棚田の里~貴州省ガンデュー村~」という番組があります。その中で、苗族の人が出稼ぎを辞めようとして換金作物として最近高く売れる「蒟蒻」の栽培を始めた事を紹介していたような記憶意ありますが、最近中国でも以前よりは蒟蒻・魔芋がよく食されているようです。この番組の中で苗族の人が「蒟蒻」をどのように呼んでいたかは忘れました。

4月に貴州に向かう予定ですが、苗族の人が蒟蒻をどのように呼んでいるか今度はしっかり聞いてきたいと思います。
by sakaijiu1 | 2010-03-28 03:05 | 貴州の食べ物