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中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
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子供が学校を辞める背景

「希望工程」という運動が起きた背景には、子供達が学校を途中で辞めるという現象が広く見られるようになったことが大きな理由として挙げられます。

警告共和国 神経憂慮禄 団結出版社1993年 この本の中に「経済日報」に1992年2月22日の記事として次のような記事が掲載されたと書いています。(第6章希望工程的嘆息p333 )

最近十年の間に5000万人が学校を辞めたと。また270万人もの学齢期の児童が就学していない。学校を辞める児童・生徒の内、家が貧しくて学費を払えないため学校を辞める児童は30%を占める。つまり1500万人の児童が家が貧しいので、学費を払えないので学校を途中で辞めてしまう悲惨な状況があると。

「中国人怎么了」 红旗出版社 1992年12月 この本の中では、1980年から1988年の間に全国で3700万人の児童が学校を辞めたと書いています。また、全国には約2億2千万人の義務養育段階の児童生徒の内三分の一程度が小学校を終えると、更に三分の一が中学に進み、更に三分の一が高校に進学すると。

邓小平が1899年に教育の重要性を指摘し他の分野を犠牲にしても養育面での問題を先に解決すべきと指摘したそうです。

そのような背景の中で「党中央中国青少年発展基金会」という団体が、募金を集め「貧困地区失学少年基金」を設立する。集めた資金により、経済的困難から学校を辞めた子供達に学費援助し、再び学校に通わせると。そしてこの運動を「希望工程」と名付けると。

当時の邓小平、李鵬、李先念、楊尚昆などの国家的指導者もこの運動を支持し積極的に応援したそうです。邓小平は自ら希望工程の題字も揮毫し、募金もしたそうです。

この「希望工程」は、このような社会的背景の下、また邓小平など国家的指導者も卒先し、賛同したため大きな社会運動となり、中国社会で大きな反響を呼ぶととになったようです。また、海外の華僑や日本を始め海外の国々からも多くの賛同者や支持者を集め、その送られた資金により多くの子供達が再び学校に通うことになったのです。


最近中国農村部で建てられている小学校はこのような建物が多く、タイル張りが多い。

子供が学校を辞める背景_f0141553_1419421.jpg

by sakaijiu1 | 2008-02-13 15:23 | 希望工程