中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

<   2010年 03月 ( 2 )   > この月の画像一覧

蒟蒻と魔芋

司馬遼太郎は「街道をゆ」く〈20〉中国・蜀と雲南のみち (朝日文庫)の「コンニャク問答」の項でコンニャクについて書いています。「西晋時代(256~316)に、左氏(?~308)というすぐれた詩人がいた。(中略)その代表作が『三都賦』である。」(p36) ・・・・・ その『三都賦』の中の「蜀都賦」のなかに「コンニャク」という文字が出ているのである。」(p38)というように著書に中でコンニャクについて触れています。

最近便利だなと思うのはネットで検索するとその左氏が書いた『三都賦』が閲覧できることです。その「蜀都赋」には「甘至自零,芬芬酷烈。其园则有蒟蒻茱萸,瓜畴芋区。甘蔗辛姜,阳蓲阴敷。」とあり確かに「蒟蒻」という言葉があります。

だいぶ前に、この「蜀と雲南のみち」の「コンニャク問答」を読んだ時よく理解できなかったのは、「その『三都賦』の中の「蜀都賦」のなかに「コンニャク」という文字が出ているのである。 ・・・・さらに注として蒟蒻の植物の特徴をのべ・・・・」と書いてありますが、その注が載ってる本の書名が何なのかということでした。

ネットを検索して、今回分かったことは『三都賦』などに注釈を施した「文選」の「卷四 赋乙」の中の「蜀都賦」で蒟蒻の注として「(113)蒟,蒟酱也。缘树而生,其子如桑椹,熟时正青,长二三寸,以蜜藏而食之,辛香,温调五(脏)〔藏〕。蒻,草也。其根名蒻头,大者如斗。其肌正白,可以灰汁,煮则凝成,可以苦酒淹食之。蜀人珍焉。茱萸,一名茶也,畴者,界埒小畔际也。杨雄《太玄经》曰:阳蓲万物。言阳气蓲」とあります。

司馬遼太郎が注として引用した本は「文選」であり、その「卷四 赋乙」の中の「蜀都賦」の蒟蒻の注として書いてある項からの引用だったのです。この「文選」もネットで前文閲覧できます。

雲南省、四川省など蒟蒻を食べるところでは「魔芋」という呼び名が一般的のようで、蒟蒻と言う言葉はあまり一般的ではないようです。

NHKで以前放送された番組に「天涯にきらめく棚田の里~貴州省ガンデュー村~」という番組があります。その中で、苗族の人が出稼ぎを辞めようとして換金作物として最近高く売れる「蒟蒻」の栽培を始めた事を紹介していたような記憶意ありますが、最近中国でも以前よりは蒟蒻・魔芋がよく食されているようです。この番組の中で苗族の人が「蒟蒻」をどのように呼んでいたかは忘れました。

4月に貴州に向かう予定ですが、苗族の人が蒟蒻をどのように呼んでいるか今度はしっかり聞いてきたいと思います。
[PR]
by sakaijiu1 | 2010-03-28 03:05 | 貴州の食べ物

盟神探湯の由来

「苗族習慣法的遺留伝承及其現代転型研究」第二章の中で著者(徐暁光氏)は盟神探湯の由来について実に興味深い見解を述べています。

中国の雲南省等の少数民族の間では、かって鍋の中に焼いた石を入れて料理、調理する方法があったそうですが、そのような鍋に焼いた石を入れて鍋の中の物を煮ると言う方法と盟神探湯が関係があるという見解を述べているのです。(p90)

「盗」という字は中国の古代の文字では、水、火、肉、皿の四つの部分からなっていたとのことです。その文字の成り立ちから見ると、皿器(中国語 原文)に水をいれ、火と肉とあることから、鍋に焼いた石を入れて肉などを煮た料理法と関係しており、「盗」の最初の意味は、古代焼いた石で調理した肉をその鍋から取りさることを意味したのではないかと記述していることです。

古代肉を鍋などで料理しているとき、人によっては、まだ食べて良い前に勝手に鍋の中に手を入れて肉などを取ろうとした者が居たことと関係しているのではないかとの見解を示していることです。鍋の中の肉を勝手に取ること、取り出すことが「盗」という文字の最初の意味ではないかというように徐暁光氏は述べています。

盟神探湯が何故沸騰したお湯の中から、石や斧や卵を取り出すと言う方法をとったのかよく理解出来なかったのですが、この徐暁光氏の本を読んで私は長い間疑問に思っていたことが解けました。

ネットなどで中国語を含め「盟神探湯」を検索しても盟神探湯がどういう事jかは載っていますが、何故お湯の中に手を入れるのかについては書いてません。

徐暁光氏は凱里学院の副院長で、著者の経歴を拝見すると日本にも留学された経験のある方です。私は、08年に凱里学院を訪問した際に、徐副学院長にお会いし、先生から著書「苗族習慣法的遺留伝承及其現代転型研究」を頂きましたが、長い間読まずに置いたままでしたが、最近になようやく目を通した次第です。大変面白い本です。
[PR]
by sakaijiu1 | 2010-03-08 00:01 | 苗族と祭り