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中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
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モチについて

貴州省に住む多くの少数民族は稲作民族ですので、モチやおこわなどの食べ物は貴州省ではごく普通に見かけます。少数民族の中でも苗族、トン族、布依族などは特によくモチ(中国語では糍粑=ci ba)を食べる様です。
作り方も日本と同じで、糯米を一晩ほど水に浸し、その糯米を「甑」という蒸し器で蒸し、臼にいれ杵で搗いて、その後小さく丸め、きな粉やごま等をまぶして食べるそうで、食べ方も日本と大変よく似ています。(注:甑は日本語ではこしきと読むようですが中国語ではzengと発音します。)モチを水の中に入れて長期に保存する地方もあり、このように瓶、つぼに水を入れその中にモチを入れて保存するやり方は私の田舎でもやっていた保存法でもあります。中国語ではモチを搗く事を「打糍粑」と言います。
西江千戸苗塞で食べたモチ。好みにより砂糖をふりかけ食べるとのことですが、私は砂糖は入れず食べましたが、この時にもこれをなんと呼ぶのか聞かないでしまいました。あっモチだ、モチが出てきたという驚きのほうが強くどんな時にモチを搗くかも聞かなかったです。
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前にブログに書いたことがありますが貴州省六盤水市猴場郷格支村という村を尋ねる機会がありましたがその村は「喇叭苗族」が住む村です。ある農家に行ったら石臼と木で作った横杵が置いてありました。モチを搗くのかどうかは残念ながら尋ねないでしまいましたが喇叭苗族(ラーパ苗族)も稲作民族です。その家で食事をご馳走になりましたがご飯が出てきました。
格支村の風景、水田もありました。私が行った所は戸数15軒ほどの小さな集落ですが、若い人は沿海部に出稼ぎ行っている人が多いそうです。
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村のある農家で見た杵と石臼ですが、モチを搗くのかどうかは聞かないでしまいました。と言うより言葉も全く通じなかったのですが、、、、
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村へ行く道は歩きとなります。途中の風景春先で田んぼにはレンゲが植えてありました。
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村の別の集落の様子で、最近ではこの村でも木造ではない家も出来つつあります。
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ネットで「糍粑」を検索すると福州省、湖南省などでは木で作った杵と石臼でモチを搗くようで、臼は木臼とは限らないようです。モチを搗く時の臼は木臼とばかり思ってましたが、地域により石臼でモチを搗くことはネットで調べ初めて知りました。杵は日本では普通に見られる横杵ではなく、縦杵でモチを搗く所も多いようです。
面白いのは「糍粑」はどんな食べ物かとか、「糍粑」はどうやって作るのかなどの質問もネット上では多いことです。ネットで検索すると画像入りで「糍粑」の作り方、食べ方が掲載されています。中国では貴州、四川、湖南、福州、雲南等では糍粑は普通の食べ物ですが、それ以外はあまり食べないようです。

小学館の中日字典でモチを調べると「日本の「もち」に最も近いものは“年糕"で,もち米の粉をこね,蒸してついたもの」など書いてありますが調査不足のような気がします。デイリーコンサイス日中辞典 (三省堂)でもモチ=年糕としていますが、これも問題ありと言わざる得ません。両方の辞書には「糍粑」と言う語彙が出てきません。

私たちが子供の頃はよく家で餅搗きをしたものです。60年からは、杵や臼でモチを搗くことは少なくなり、モチも機械で搗くようになりましたが。日本でもそのうちにはモチはどうやって作るのかと言うような質問もネット上に現れるようになるかもしれません。
by sakaijiu1 | 2009-10-27 00:01 | 貴州省と少数民族