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中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
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盟神探湯の由来

「苗族習慣法的遺留伝承及其現代転型研究」第二章の中で著者(徐暁光氏)は盟神探湯の由来について実に興味深い見解を述べています。

中国の雲南省等の少数民族の間では、かって鍋の中に焼いた石を入れて料理、調理する方法があったそうですが、そのような鍋に焼いた石を入れて鍋の中の物を煮ると言う方法と盟神探湯が関係があるという見解を述べているのです。(p90)

「盗」という字は中国の古代の文字では、水、火、肉、皿の四つの部分からなっていたとのことです。その文字の成り立ちから見ると、皿器(中国語 原文)に水をいれ、火と肉とあることから、鍋に焼いた石を入れて肉などを煮た料理法と関係しており、「盗」の最初の意味は、古代焼いた石で調理した肉をその鍋から取りさることを意味したのではないかと記述していることです。

古代肉を鍋などで料理しているとき、人によっては、まだ食べて良い前に勝手に鍋の中に手を入れて肉などを取ろうとした者が居たことと関係しているのではないかとの見解を示していることです。鍋の中の肉を勝手に取ること、取り出すことが「盗」という文字の最初の意味ではないかというように徐暁光氏は述べています。

盟神探湯が何故沸騰したお湯の中から、石や斧や卵を取り出すと言う方法をとったのかよく理解出来なかったのですが、この徐暁光氏の本を読んで私は長い間疑問に思っていたことが解けました。

ネットなどで中国語を含め「盟神探湯」を検索しても盟神探湯がどういう事jかは載っていますが、何故お湯の中に手を入れるのかについては書いてません。

徐暁光氏は凱里学院の副院長で、著者の経歴を拝見すると日本にも留学された経験のある方です。私は、08年に凱里学院を訪問した際に、徐副学院長にお会いし、先生から著書「苗族習慣法的遺留伝承及其現代転型研究」を頂きましたが、長い間読まずに置いたままでしたが、最近になようやく目を通した次第です。大変面白い本です。
by sakaijiu1 | 2010-03-08 00:01 | 苗族と祭り