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中国貴州省とそこに住む少数民族の事を主に書いてます。また、希望工程を通して見た中国農村部の教育の現状や中国の農村の様子についても書いてます。


by sakaijiu1
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留守児童の問題

出稼ぎに行く人を見送る人達。  長距離バスで出稼ぎ先に向かう人が多い。
留守児童の問題_f0141553_1274678.jpg

今回ある小学校を訪れる機会がありました。そこの校長先生と話す機会もあり少しの間ですが話をしてきました。

パソコン二台が昨年、学校に備品として配られたとのことです。児童からは、学費や雑費も一切徴収していないそうです。学校の運営費等に掛かる経費についても県政府・省政府が負担するようになり助かっているとの話でした。

そこの学校での一番の問題は「留守児童」の件であると話していました。「留守児童」とは両親が省内や省外へ出稼ぎに行って長期に亘り家に居ない家庭の子供のことを言うようです。その小学校では児童の70%の親が出稼ぎに出ており家には親は居ないそうです。別の小学校では50%の児童が留守児童だと話していました。

地元貴州省の新聞の記事では、ある村の小学校では「留守児童」の昼食のことが話題になっていました。その記事の内容は留守児童は昼食を持ってこない児童も多く昼を食べない子が多い、家に昼帰っても食事の準備がないので昼を食べない子供が多く問題となっていると報道されてました。

この学校の件は新聞で報道されたあと、資金を提供する人が出てきて学校で簡単な食事を出すことで問題が解決したとの記事が新聞に載りましたが、このような状況は他でもよくある事のようです。

以前革家族の家を訪ねたときも、三歳位の子供がいたので「親は?」と聞いたら両親は出稼ぎに行っていると話してました。

今年の全国人民代表大会の代表に三人の「民工」が選ばれ大変な話題となりました。その代表の一人である庚厚明氏は「南風窓」(08年7期p41)という雑誌のインタビューで「私の故郷の村では18歳から60歳までの三分の二は出稼ぎに出ている」と答えてます。また、大部分は夫婦で出稼ぎに出ていると答えています。

また、現在の「民工」の数は2億人位いるとインタビューの中で話しています。留守児童の数は4000万人に上るそうです。

貴陽市市内でよく見かける光景。省内から貴陽市に出稼ぎに来た人。
留守児童の問題_f0141553_1303143.jpg

by sakaijiu1 | 2008-05-08 01:29 | 中国の農村と学校